前処理・分析のご相談ならエーエムアール(AMR)へ
Plasmion社が開発したSICRIT®は、大気圧質量分析で初となるフロースルーソフトイオン化技術を有したイオンソースユニットです。SICRITイオン源とコントロールユニットSC-30で構成されています。
本機は独自のフロースルー構造による放電技術により効率的なイオン化を実現しています(下記参照)。プラグアンドプレイ方式のイオン源でイオン化とサンプル気化の工程を分離できるため、高感度質量分析装置を利用しMSノーズ(質量分析による香気分析)として、クロマトグラフィーやCTC社製PALなどのサンプル前処理システムと組み合わせるなど幅広い分析用途があります。
直接オンラインスクリーニングやSPMEをダイレクトにMSに注入するほか、ガスクロマトグラフィー分離後の検出器として使うなど多様なアプリケーションへの対応が可能です。
SICRIT®の画期的な技術は、直接イオン源でpptオーダーの高感度での測定を可能にしました。ラボ以外のさまざまな分野で新しいアプリケーションとワークフローを可能にするでしょう。
図のように、従来の方法では、サンプルはMSの導入部に入る前にイオン化されるため、MSへの移動中の電荷反発および中和による感度の低減は避けられませんでした。
しかしSICRIT®イオン源は、MSの試料導入部に直接取り付けられるように設計されており、独自の形状のコールドプラズマを使用して導入部へ引き込まれた分子をイオン化します。プラズマはキャピラリーで放電されるので、透過率ひいては感度を大幅に向上することが可能となりました。
■堅牢で高感度。幅広く使えるイオンソース
■pptオーダーの高感度な分析が可能
■各メーカーのLC-MSシステムへ簡単に取り付けられすぐに使用可能
■LCやGCで使用。ダイレクトSPME-MSでppqオーダーの分析も
■サンプル前処理やイオン化調整は不要
源遠流長を楽しむのに適した飲用温度は?
「良いお酒はお燗にするのは勿体ない」という話があるなど、飲用温度は香り立ちにも影響する。そこで、飲用時の感覚を意識した評価として、きき酒時の呼気を鼻から直接的に分析装置(大気圧イオン源としてSICRIT(Soft Ionization by Chemical Reaction In Transfer, Plasmion社)、質量分析装置として四重極飛行時間型質量分析計 LCMS-9030を使用)に取り込んで分析を行った。
佐川岳人氏らの手法*を用い、一連のきき酒動作(①口に含む(5秒)→②すすり舌の上で転がす(5秒) →③空気を鼻から抜く(5秒) →④内容物を吐く(5秒))を行って温度帯3種の日本酒の口中香を測定した。
* A Short-Term Time-Series Data Analysis Algorithm for Flavor Release during the Start of Eating Mass Spectrometry, 06 Jul 2023, 12(1):A0126
ウェビナー概要
2021年11月25日に開催された島津サイエンス西日本株式会社による「みんな気になる?におい分析を究める知恵袋」よりエーエムアール講演パート「リアルタイム質量分析でにおい分析」を公開いたしました。DART、SICRIT等直接イオン源を用いたにおい分析の事例を紹介しております。
■ウェビナー視聴はこちらから(Youtube AMR Channel)
SICRIT®はさまざまなアプリケーションに対応いたします
・品質管理
・臨床研究
・インダストリー4.0
・排出モニタリング
・食の安全
・アロマセンシング
・安全保障と法医学…など
コーヒー豆の焙煎を例に(80 ℃加熱)、高マトリックス下での反応モニタリングを行いました。
前処理なく焙煎によって生じたコーヒーアロマを1秒以下のサンプリングレートで300種以上の化合物を識別可能です。
SICRIT®のコーヒーアロマプロファイリングに関する詳細は、関連アプリケーションノートをご参照ください。
専用SPMEインジェクターを利用することでPALを用いた分析が可能です(SPME Arrowも使用可能)。
LC / GC分離せずに定量性のあるデータが得られます。また、最高ppqオーダーの高感度分析が可能です。
GC-SICRIT-MSでは主に[M+H]+が観察され、EIとは異なるソフトイオン源としてご利用できます。
農薬、薬物、PAHなどのターゲット分析だけでなくノンターゲット分析にも対応可能です。 水に添加した農薬28種のGC-MS分析では検出下限30 pg/mLが達成されました。
SICRIT® Ion Source
・サイズ/重さ 45 × 20 × 20 mm/150 g
・印加電圧 0〜1500 Vrms、10.0 kHz、0.35 W(コントロールユニットから供給)
・動作条件 5〜60 ℃の表面温度、<80%RH ※結露なきこと
・MSインターフェース温度 <275 ℃
・最大ガス温度フロースルー –20〜100 ℃、<80%RH ※結露なきこと
・使用可能なキャリアガス N2、CO2、He※詳細はお問い合わせください
・流量 0.5~1.5 L / min※適切な流量はMSに依存します
SICRIT® Control Unit SC-30
・サイズ/重さ 270 × 200 × 80 mm/2.1 kg
・供給電圧 100〜240 V、50〜60 Hz、400 W
・高電圧出力 2 × 750 Vrms(それぞれ2000 Vpp)、10.0 kHz、0.35 W
・モジュール出力 220〜240 V、50〜60 Hz、100 W
・動作条件 5〜40 ℃、<80 %RH ※結露なきこと
SICRIT® GC/SPME Module
・サイズ/重さ 110 × 150 × 50 mm/0.5 kg
・供給電圧 24V DC、100 W(コントロールユニットから供給)
・最高使用温度 320 ℃
・使用可能なキャリアガス N2、CO2、He、またはドーパント混合物 ※詳細はお問い合わせください
GC-MS Connection
GC/SPME ModuleとGCを接続するには加熱式トランスファーライン(例:PlasmionのTCMX-10-HAT)が必要
SPME Injection
Supelco®製SPMEファイバーマニュアルホルダー用アダプター(24ゲージ)
CTC社製PALシステム用SPME FiberまたはSPME Arrow注入用アダプター
従来のイオン源ではマスの入口でイオン化していましたが、
SICRITはマスの入口に装着し、装置内で(ソフトな)イオン化をするため高感度な分析ができます。
食品・自動車・医療業界の方々に利用頂いております。