ヘリウムガス供給不足に対する直接イオン源イオン化用ガスの対策および製品のご紹介
近年、ヘリウムガスの供給不足および価格の高騰が問題となっております。
直接イオン源DARTでもイオン化用ガスとして通常はヘリウムガスを使用しており、ヘリウムガスに代わるイオン化用ガスが喫緊の課題です。
今回は、アルゴンガスや窒素ガスなどの代替ガスでも感度を損なうことなくイオン化が可能な追加オプション、もしくは新製品をご紹介いたします。
目次
【DART追加オプション】DART高感度化ユニット「Corona++」
【新製品】揮発性成分を高感度に分析「SICRIT」
【新製品】AMR製、よりお手軽なアンビエントイオン源が登場「DCD(仮)」
DART+アルゴンガス+Corona++
Corona++でアルゴンガスでのイオン化が可能に
ヘリウムガスと同感度のイオン化効率を実現
DART用オプションの「Corona++」は、ニードルに高電圧を印加しプラズマジェットを発生させることでイオン化効率を10~1000倍へ上昇させる感度向上ユニットです。
Corona++使用時にイオン化ガスをヘリウムからアルゴンへ変更すると、暗流イオン化が起こるようになり、本来DARTでは使用できなかったアルゴンガスをDARTのイオン化に用いることが可能となります。
DARTにCorona++を接続して使用することで、イオン化用ガスをヘリウムガスからアルゴンガスへ変更した場合でも同等の感度での測定が可能となります。
測定例:ヘリウムガスまたはアルゴンガスを用いてイオン化したトリオレインのマススペクトルの比較例
DART イオン化用ガス:ヘリウムガス
DART イオン化用ガス:アルゴンガス 感度向上ユニットCorona++
上記のようにアルゴンガスを使用した場合でもヘリウムガスと遜色ない感度でトリオレインを検出することができます。
Corona++製品ページはこちら
本技術に関しましてはこちらの論文(外部サイト※英語)もご参考ください。
新大気圧イオンソースSICRIT+窒素ガス
独自のフロースルー構造の放電技術で
効率的なイオン化を実現
SICRITはフロースルーソフトイオン化技術を有したイオンソース。
MSの試料導入部に直接取り付けられるよう設計され、独自の形状のコールドプラズマを使用して導入部へ引き込まれた分子をイオン化します。
プラズマは導入部直前で生成するため、透過率ひいては感度が大幅に向上します。
また、SICRITはLCおよびGCへの接続が可能です。
DCD(Dark Current Discharge)※開発中
AMR製小型アンビエントイオン源
エーエムアールから新しいアンビエントイオン源が登場します。
DARTと同様に前処理不要で測定でき、固体からレトロネーザルアロマまで高い汎用性とアクセシビリティを持ちます。
今までのイオン源よりも導入しやすい価格で提供いたします。詳細はお問い合わせください。
※開発中の製品です。製品名、仕様は変更となる可能性がございます。
エーエムアールではヘリウムガス供給問題におけるイオン源用イオン化ガスでヘリウムガスに代わる代替ガスのご提案、製品のご紹介をしております。お客様のご要望やサンプル、目的に合わせたソリューションに合わせてご提案いたしますので、ぜひ弊社までご相談くださいませ。
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