Tryp-N™は従来法に比べ、部分消化の再現性が高く、
PTM解析やK/Rリッチタンパク質に
最適な次世代N末端特異的プロテアーゼ
Tryp-N™(N末端トリプシン)は、ProtiFi™社による特殊なプロテアーゼであり、タンパク質をリジンまたはアルギニン残基のN末端側で切断します。
高熱性の金属プロテアーゼであり、アルギニンおよびリジンに対するN末端特異性を持つようにCold Spring Harbor Laboratory(CSHL)で設計されました。この酵素は、ペプチドの塩基性中心(アミノ末端およびK/R側鎖)をひとつにまとめることで、bイオンが優勢なスペクトルを生じ、より明瞭なスペクトルと高い感度を実現します。
MS/MS断片化を単純化し、優れたプロテアーゼ活性を持つことが実証されています。Tryp-Nスペクトルは、トリプシンを補完するイオン系列を提供するため、翻訳後修飾(PTM)の同定や局在化を容易にします。例えば、YSTクラスターにおけるリン酸化などのPTM解析やde novoシーケンシングに有効です。
さらに、MRMアッセイの断片化においては、トリプシン消化ペプチドのように2つの荷電末端に電流が分散することなく、bイオン上にイオン電流が集中するため、感度が向上します。
特 長
・感度向上酵素を切り替えるだけで感度アップ!トリプシンがイオン電流を分散させるのに対し、Tryp-NはMRM実験で検出下限(LOD)を大幅に低減します。カタラーゼペプチドの最適化MRMでは、中央値で4.5倍、平均で35倍の感度向上を実証。・高い互換性pH5~12の広い範囲や多様なバッファー/界面活性剤条件でも効率的に作用し、さまざまなサンプルタイプや実験条件に対応可能。・優れた特異性リジンおよびアルギニンにおけるN末端切断で95%以上の特異性を実現し、bイオンリッチなスペクトルを生成。これによりPTM局在化やde novoシーケンシングがより明確に。トリプシンと併用することで、まるで核酸の3塩基配列と5塩基配列解析のように相補的な情報を得られます。・卓越した効率性タンパク質消化を30分以内で達成。品質を損なうことなくワークフローを大幅に短縮。・迅速かつ簡便最適温度での迅速な消化により前処理を簡素化し、分析工程への移行を加速。・高い熱安定性最大65℃までの高温消化が可能。難消化性タンパク質も変性させ、不必要な内因性プロテアーゼを不活化。・金属依存的な制御性金属イオンやEDTAの添加で酵素活性をオン/オフ可能。消化の進行度を正確かつ再現性高くコントロールできます。
Tryp-Nプロテアーゼは、そのスピード、特異性、使いやすさ、そして全体的な有効性に加え、
より解釈しやすいスペクトルを提供できる能力を兼ね備えており、
プロテオミクスのツールキットにおいて極めて価値の高い存在となっています。
¹Wilson JP, Ipsaro JJ, Del Giudice SN, Turna NS, Gauss CM, Dusenbury KH, Marquart K, Rivera KD, Pappin DJ. Tryp-N: A thermostable protease for the production of N-terminal argininyl and lysinyl peptides. Journal of Proteome Research. 2020 Mar 6;19(4):1459-69.
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